Ray Moriya's Journal

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ルソーの 一般意思 を育児領域に実装するということ

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筆者はこれから夢を語ろうと思う。それは未来社会についての夢だ。わたしたちがこれからさき、21世紀に、22世紀に作るであろう社会についての夢だ。あらゆる夢と同じように、筆者の夢もまた、断片的で矛盾だらけで、欠陥が多く混乱に満ちている。

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル | 東 浩紀 

僕が影響を受けた本からの抜粋だ。 スタートアップを始めてから、夢と理想を現実の世界にインプリメンテーションをすることの難しさを身に染みて感じている。アイディアには価値がないとはよく言ったもので、実装できるだけのGRITがあり、それが可能になる外部環境が整っているかのほうがよっぽど重要だ。東浩紀が上記の本を執筆してからすでに10年が経過したが、日本社会における民主政が変わった兆しはない。僕はこの本は大好きだが、提言では世の中は変わらない。


僕はコンサルやGAFAでビジネス戦略を学び、スマホやIoT端末の開発の現場で技術を学び、オックスフォード大学で社会的ミッションを実現する方法を学んだ。今まで学んできたものを適用するフィールドとして、非効率で市場原理が働いておらず、外資が入ってこない育児の場を選んだ。僕は今まで吸収してきたスキームを紡ぎ合わせ、ビジョンから逆算し、現実社会に落とし込んで、世界を1ミリでも前に進めたい。

ルソーは「一般意思」という言葉で、意識的な合意形成ではなく無意識の欲望の集積について語った。彼は、人々が意識していない、意識できない欲望が数理的に集まり、統治の基礎を形づくる理想の国家を夢見た。その理想はルソーの時代には不可能な夢しかなかったが、わたしたちはいま、彼が夢見ることすらできなかった歴史の道すじ(情報技術革命)を通り、その夢が現実化しつつある時代を生きている。

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル | 東 浩紀 

ほぼ同時代を生きたルソーとアダム・スミス。問題が多く未だに機能不全を起こしている民主政と、恣意性を取り除き人間の欲望に基いたシステムで大きく発達した資本主義。政治家になりたいと思っていた僕は、資本主義と同時代に生まれたにもかかわらず、当初からあまり発展していない民主政のあり方に常に疑問を持っていた。

かといって資本主義も万能ではなく、特にそれは育児のような貨幣経済と相性の悪い、愛情空間で機能不全を起こしている。僕はこのような資本主義が機能していないところにこそ、ルソーの一般意思を実装することに意味があるのでないかと思っている。

ママ同士のやり取りでのストレスはその関係性から来ていることが多い。そもそも育児といった正解がない領域で、議論による合意形成など無理なのだ。一般意思を実装することでそもそもこの無駄な議論による合意形成を排除し、自然と調和が図られる「神の見えざる手」のようなプラットフォームが形成できるのではないか。

そんな捉えどころのない夢のような世界をいかに現実社会に落とし込んでいくか、そんなことを考えながら実行している日々だ。